貸し付け面積は
所有か転貸かで利益率が変わる

 再開発の幾つかは、“世界で一番ビジネスをしやすい環境”を目指す政府によって、規制緩和制度を盛り込んだ「国家戦略特区」に指定されている。今のオフィスビル大開発は、民需だけではなく官製の側面もあるのだ。

 こうした大規模開発の間隙を縫って、「PMO」ブランドで中規模ビルを展開するのが野村不動産だ。機能などは最新ビル並みにしつつ、成長企業の取り込みを図る。この分野には地所も今年になって参入を表明。競争が激化しそうだ。

 最後に、3大デベロッパーの業績についても比較してみよう。

 実はバブル期(91年)の状況を見てみると、住不は、三井不と地所に売上高もさることながら、オフィスの貸し付け面積でも大差をつけられていた。だが、現在では両社に肩を並べる面積を確保している。

 有価証券報告書を見ると、建物の所有と転貸の床面積の内訳が分かる。転貸床とは、第三者(オーナー)からフロアを借り受け、他の第三者(テナント)に貸す床のことだ。再開発や建て替えビルで共同地権者の持ち分を一体で運用するケースなど、幾つか理由が考えられる。