中年に近づいている米ミレニアル世代の家計は、10年に及ぶ経済成長や失業率の低下にもかかわらず、ベビーブーマー世代やX世代が同じ年頃だった時よりも悪い。働き始めに金融危機と景気後退に見舞われたミレニアル世代(1981~96年生まれ)は、大恐慌以降に生まれた世代が若かった頃に比べて資産が少なく、婚姻率が低く、子供が少ないことが、新たなデータで分かった。教育水準がそれまで以上に高くても、厳しい状況にあるミレニアルは人生のイベントを遅らせてきた。そのことは今世紀末まで米国の人口動態や経済情勢を変容させそうだ。ミレニアルの動向もあって米国の出産数は32年ぶりの水準に低下した。このことは、退職者人口が膨らむ一方でソーシャルセキュリティー(社会保障)や他の制度を支える将来の労働者が減ることを意味する。
不遇の米ミレニアル、中年迎えても厳しい現実
上の世代と比べて少ない資産と低い婚姻・出産率
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