「世界最大の民主主義国」であるインドの総選挙の結果、ナレンドラ・モディ首相が引き続き政権を率いることになった。微妙なかじ取りが求められるアジアの地政学的動向や世界経済に対するインドの役割が高まる中で、モディ氏が2期目の5年間をどう使うかは、世界にも大きな影響を及ぼす見通しだ。投票は約9億人の有権者に対応するため、5週間半かけて7段階に分けて行われた。数百万人の治安・選管当局者が地方を回って担当し、最終的には6億人近い有権者が投票した。インドには22の公用語があり、数千に及ぶ地域、種族、カースト集団が存在するなど、極めて多様で、国家というよりは大陸と呼ぶ方がふさわしいかもしれない。その多様性は選挙にも反映されており、数百の異なる政党が候補者を擁立した。