――筆者のトゥンク・バラダラジャン氏は米スタンフォード大学フーバー研究所のエグゼクティブエディター ***  インドではパラドックスが生じ始めている。インドは、戦略的にはかつてないほど欧米、特に米国に接近しているが、その一方で欧米的な価値観を放棄しようとしているのだ。  インドの有権者らは、23日に開票が始まった同国の総選挙で、ナレンドラ・モディ首相率いる与党連合を圧勝させた。モディ氏が属するインド人民党(BJP)の選挙運動の進め方から判断すると、英国から独立後のインドを特徴付けてきた世俗主義的規範の多くを同氏が放棄するのは確実とみられる。