欧州連合(EU)加盟28カ国で23〜26日に投票が行われた欧州議会選挙は、既成勢力を揺るがす結果になったもようだ。欧州が米国や中国に対する主張を強めようとする中、政治的な不確実性が高まることになる。これまでの出口調査では親EU政党の分断化が示されている。長年にわたりEU政治の中枢を担ってきた中道右派と中道左派が、定数751の欧州議会で過半数に56議席及ばない見通しだ。一方、新興の親EU政党、EU懐疑派、緑の党などが地歩を築く見通しで、連立協議を複雑なものにしそうだ。出口調査によると、ドイツではアンゲラ・メルケル首相率いる中道右派のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)の得票率が28%と、前回選挙(2014年)の35.3%から低下したもよう。連立を組む社会民主党(SPD)は15.5%と、前回の27.3%から低下したとみられている。一方、緑の党は議席を2倍に増やし第2党に躍進する見通し。EU懐疑派の「ドイツのための選択肢(AfD)」も議席を7から10に増やす見通しだ。