中古のハンドバッグや腕時計を販売するウェブサイトを見ると、どのブランドが長い時を経ても価値を保ち続けるかがすぐ分かる。それは、投資家の高級ブランド銘柄に対する見方にも影響を与えるはずだ。中古ブランド品市場は急速に成長している。独立系委託販売店や従来の時計販売店も数十年前からサイドビジネスとして手がけてきたが、電子商取引のおかげで新たに世界的な販売業者が登場している。ザ・リアルリアル、ウオッチファインダー、ベスティエール・コレクティブといったサイトは売り手と世界中の購入者をつなぎ、本物かどうかを鑑定する専門家を雇ったり、時計などを新品同様に修復したりして消費者の心をつかんでいる。リセール市場は「カルティエ」や「ヴァシュロン・コンスタンタン」を傘下に持つコンパニー・フィナンシエール・リシュモン、「オメガ」を傘下に持つスウォッチ・グループのようなスイスの時計企業にとって最大の課題となっている。クレディ・スイスの推計では、中古腕時計の売上高は年間33億ドル(約3600億円)に達し、新品を含めた市場全体の10%に相当する。