米連邦準備制度理事会(FRB)が5日公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、関税による企業への大きな打撃はまだ見られず、経済活動が4月から5月にかけてわずかに上向いたことが示された。報告書は、12地区で経済が緩やかに成長し、前回から「わずかに改善した」と指摘した。今回の報告書は5月24日までに収集した情報に基づいて作成された。報告書によると、米中の貿易摩擦が再燃しているが、米製造業への著しい影響は見られなかった。ただ、先行きを不安視する声は多く上がった。ボストンのある製造会社は、中国産製品に対する関税分を相殺するため、上乗せ料金を導入したが、別のサプライヤーを確保できたことで解除したと報告した。フィラデルフィアでは、これまでは関税による価格上昇分を消費者に転嫁せずにこられたが、関税が引き上げられれば値上げにつながるとの指摘が複数の企業から聞かれた。