あり得ないことが6日に起きた。ドナルド・トランプ米大統領が欧州で演説し、拍手喝采を浴びたのだ。トランプ氏を批判してきた人々からさえもだ。Dデー(連合軍のノルマンディー上陸作戦開始日)の75周年記念日に同氏が行った演説は感動的なものであり、個人的かつ政治的な不和を抱えているなかでも、欧米諸国の同盟の価値について教訓をもたらすものとなった。海岸線に押し寄せ、ナチス・ドイツの前線の背後にパラシュートで降下した兵士らを称える演説の中で、トランプ氏は、兵士らが抱いていたより大きな動機について語った。「彼らは地獄の砲火の中を、どんな兵器でも破壊できない力に突き動かされて走った。その力とは、自由で、誇り高く、主権を持つ人々の熱い愛国心だった」。この言葉は大歓声に迎えられた。「支配のために戦ったのではない。自由と民主主義と自治のために戦ったのだ」