令和の時代に入り、日本企業はこれまでのやり方を変えざるをえないようだ。企業で働く従業員も痛みを伴う変革に晒される。これは、政府や企業が旗振りする「働き方改革」というレベルの話ではない。全ての働く人々にとって覚悟が必要となる。(ITジャーナリスト・ライター 中尾真二)
「昭和型雇用」からの脱却が加速
直近の政財界の発言や動きを見てみると、経団連の中西会長が「終身雇用維持は企業にとってインセンティブがない」「これ以上の最低賃金の引き上げは企業がもたない」と発言。トヨタも終身雇用について維持が難しいという意見を表明した。富士通は45歳以上の従業員2850人あまりを対象に、早期退職や配置転換を実施した。NECも同様のリストラ策に取り組んでいるという。
さらに金融庁は「年金では生活できないから資産運用などで自衛しろ」と警告する。財務省の悲願である消費税増税は、逆進性が高く貧困の拡大とさらなる内需後退を招くと多くの専門家が危惧している。どれも日本経済にとどめを刺しかねない。