物言う投資家カール・アイカーン氏による米カジノ運営大手シーザーズ・エンターテインメントに対する賭けは既に利益を生んでいるようだ。同社の大株主であるアイカーン氏は、シーザーズに身売りを迫っていた。同業のエルドラド・リゾーツが24日、現金と株式交換により86億ドル(約9230億円)でシーザーズを買収すると発表した。シーザーズ株は今年に入って急上昇していたが、24日の日中取引でさらに15%急伸した。一方、エルドラドには、スポーツ賭博の合法化などの業界を巡る大きな変化に規模で対抗する狙いがある。エルドラドの株主は懐疑的だが、この買収案件の根拠は手堅く見える。アイカーン氏はかなり前からカジノの買収ゲームに興じていた。2008年にニュージャージー州アトランティックシティーに主力資産を持つカジノ運営会社トロピカーナ・エンターテインメントに出資。昨年にはトロピカーナをエルドラドとゲーミング・アンド・レジャー・プロパティーズに売却することで合意した。また今年2月にはシーザーズ株の保有を公表。同社取締役会に3席を確保し、4月には新最高経営責任者(CEO)の指名を後押しした。
アイカーン氏シーザーズへの賢い賭け、身売りで結実
有料会員限定
あなたにおすすめ