米バイオ医薬品大手アッヴィの株主は、医薬品で売り上げ世界一のリウマチ治療薬「ヒュミラ」にとどまらない事業多角化を同社に求めてきた。だが25日、多角化が高くつくことを思い知らされた。アッヴィはしわ取り注射剤「ボトックス」で知られるアラガンを現金と株式の組み合わせにより630億ドル(約6兆7000億円)で買収すると発表した。これが材料視されて、アッヴィの株価は25日午前の米株式市場で急落した。そうした反応も理解できる。結局のところアッヴィはアラガン株に前日終値を45%上回る額を支払う上、債務380億ドルを引き受けるのだ。ファクトセットによると、アッヴィは第1四半期末時点で既に320億ドル近い債務を抱えている。アラガン株の方も、今月の人気銘柄というわけではない。過去1年で株価は半減している。
アッヴィと製薬業界、大型買収以外に妙薬なし
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