電気自動車(EV)の先駆者テスラにとって次のカンフル剤となるのは、今週発表される4-6月期納車台数だろう。だがたとえ強い数字が出ても、テスラ車に対する需要低下の懸念が消えることはない。年初から下落が続いたテスラの株価は、6月につけた安値から約25%反発した。同じように同社の債券価格も大幅に回復した。4-6月期納車台数をめぐる楽観論が一定の役割を果たしたようだ。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は目覚ましい数字になると示唆している。恐らくはただし書きが必要だが。「需要の問題はもうないことを明確にしたい」。マスク氏は6月11日の株主総会でこう述べた。さらに同氏は6月25日付けの従業員へのメールで「われわれは過去最高記録に向かっている。ただ、非常に際どいところとなりそうだ」とした。ファクトセットがまとめたアナリスト予想は9万1000台となっている。そうなれば、過去最高だった2018年10-12月期をわずかに上回ることになる。
テスラ4-6月期、納車好調でも朗報とは限らず
新記録になったとしても祝賀ムードはお預けにすべき
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