欧州にとって、ドイツ経済の減速は短期的には間違いなく悪影響となるが、長期的には良い作用を及ぼすかもしれない。強い経済を持つ欧州北部と経済的に弱い南部は成長志向の戦略を巡って対立しているが、これが和らぐ可能性があるからだ。  ドイツはユーロ圏の経済活動の3分の1近くを担っているが、3月までの1年間の成長率はイタリアを除く全ての欧州連合(EU)加盟国を下回った。これにより、ドイツの歩調は他の加盟国に近づいた。背景にあるのは、世界経済の成長鈍化や長引く英国のEU離脱(ブレグジット)プロセス、米中貿易摩擦だ。