偽装結婚歴5年の男性が語る 摘発逃れの実態
グローバル化の渦中、「身売りの村娘」の若さを金に変える「置屋」が、現代日本に生き長らえている。
言うまでもなく、このような日本での滞在・就労目的での偽装結婚そのものは、フィリピンに限られたことではない。日本での長期滞在、永住権取得までのハードルがあまりに高いためである。
「相手が何人かも分からないままに引き受けた」と、フィリピンではない国の女性と偽装結婚をして5年になる男性は、以下のように語った。
「偽装結婚したのは、知り合いに『どうしても今ビザなくなるとやばい女の子がいるんだよ』って言われたのが始まり。もちろん、その時に報酬の提示もあった」
「とりあえず、結婚までにこっちでやることはそんなに大変じゃない。事務手続き関係では普通の結婚届と簡単な書類何通かだけ。それと結婚式や2人で遊んでる写真の用意くらいだね。あとは私物をある程度相手の家に置く、と。それで特に問題もなくここまできてるよ」
「一応、何度か当局の探りはあったらしい。急に日曜日に電話かかってきて『旦那さんいますか?』みたいな。『今はいません』と答えればいいし、頻繁にかけてきても『これこれこういう仕事なんで出張多いんです」って言えば、それ以上は踏み込んでこない。実際に家に来ることもあるけど同じ」
「あ、『これこれこういう』って言うところは重要ね。やっぱ筋道通ったシナリオを事前に考えて、ちゃんと口裏合わせておくっていうことが重要。結局お役所だからさ、理屈が通ってさえいれば、『雰囲気がいかにも怪しい』とかではそれ以上はこないんだよ」
「もちろん、ちゃんとした国際結婚が大部分だろうけど、その中にまぎれて実際は偽装結婚しているのは、相当な数になってきているんじゃないかな」
「でも、もしそれを厳密に探し出したら大変なことになるだろうね。役所もやってるほうも明らかにならないほうがうれしいんだよ。ちょっと前に高齢者所在不明問題ってあったよね。家族が年金欲しいとかで、実は把握されてないだけで死んでいる高齢者がいっぱいいるっていう。あれみたいに混乱するんだろうね(笑)」