この前提の下でOpenWorkの社員クチコミデータを整理すると、20代で月60時間以上残業している人は全体の20.2%。また、月60時間以上残業し、「20代成長環境スコア」に4.0以上を付けた20代の割合は8.3%でした。今回はこの8.3%に注目して、「自分の成長に繋がる修羅場経験」を得られる企業について分析します。
20代で自身の成長に繋がる
修羅場経験ができるのはどんな企業か
「自分の成長に繋がる修羅場経験」ができる企業の属性をまとめたのが以下の表です(企業の属性別に、月60時間以上残業し、「20代成長環境スコア」に4.0以上を付けた人の割合を算出)。
企業規模別では、ベンチャー企業など小規模な企業の割合が最も高く11.6%、一方で5000人以上の超大企業では7.1%と最も低く、1.5倍程度の差があります。ベンチャー企業などの小規模な企業では、裁量権も大きく、20代において相応のポストに昇進することも珍しくはありません。そうした環境が成長に繋がる良い経験をもたらしていると考えられます。
業種別で見ると、コンサルティング業界(以下、「業界」を省略)は30.7%、マスコミは19.7%と割合が高く、その一方で金融は5.2%、メーカー・商社は5.1%、メディカル3.5%、インフラ・運輸は3.0%と低くなっており、業種によって大きな差があります。コンサルティング企業では、入社から早い段階で達成が困難な仕事にあえて挑戦する機会が与えられ、時としてUp or Out(昇進か退職か)の環境で自己のスキルを伸ばすことができます。そのため、就活においても一部の学生には魅力的な存在になっています。こうした状況が上の表にも表れているといえるでしょう。