
第二次安倍内閣の発足以降、製造業、非製造業とも、利益が著しく増加した。そうした中で、銀行の利益は減少した。
この基本的な原因は、預金が増えるだけで、銀行の貸し出しが増えなかったことだ。
つまり、銀行も「金余り」現象に直面したのだ。
これに対処する方策は、法人税を増税して、企業の金余りを解消することだ。
預金が増え、
貸し出しは増えず
日本銀行の資金循環勘定によると、国内銀行のバランスシートの主要項目の変化は、図表1、図表2に示すとおりだ。
負債では、流動性預金が182兆円も増加した。
しかし、資産では、貸し出しは84兆円しか増えなかった。増加率では17.1%だ(注1)。
(注1)法人企業統計では、金融機関借入金(当期末流動負債と当期末固定負債の合計)は全産業(除く金融保険業)で、2012年4~6月期の298兆円から18年4~6月期の304兆円へと、6兆円の増加に留まっている。