米経済をめぐる事実は変化している。だが連邦準備制度理事会(FRB)の考えは変わらないようだ。FRBは7月末の連邦公開市場委員会(FOMC)でほぼ確実に利下げを行うと示唆してきた。そのため投資家の議論は利下げの幅や、その次の利下げがいつになるかに焦点が移っている。ところがFRBがハサミを研いでいる間に利下げの理由はどんどん減り、説得力が薄れてしまった。16日公表された2つの指標も利下げの根拠を薄くした。まず、米商務省によると6月の小売売上高は前月比0.4%増加し、エコノミスト予想の0.1%増を大きく上回った。燃料価格下落の影響でガソリンスタンドの売上高が2.8%減少していなければ、この数字はもっと強かっただろう。また経済調査会社マクロエコノミック・アドバイザーズによると、4-6月期の消費支出は年率4.3%増になったとみられる。その通りならば2014年以来の大きな伸びだ。