米連邦準備制度理事会(FRB)当局者は今週、ワシントンに集まり利下げについて検討するが、その決定の大部分は、すでにフランクフルトで下されていたことになる。欧州中央銀行(ECB)の中銀預金金利はマイナス0.4%と、FRBの政策金利であるフェデラルファンド(FF )金利をすでに300ベーシスポイント(bp)近く下回っている。またマリオ・ドラギECB総裁は先週、近くマイナス金利の深堀りに踏み切る可能性を示唆。FRB当局者はここにきて、米国の金利が外国の金利水準から大きくかい離することは許容すべきではないと結論づけた。そのため米経済は欧州経済よりもはるかに堅調であるにもかかわらず、ECBの後押しにより、FRBは行動せざるを得ない状況に陥っている。
宣戦布告なき通貨戦争、ECBがFRBを追い込む
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