会議「良い会議」の条件とは? Photo:PIXTA

経営会議に「1円単位」の
報告書はいらない

小宮一慶・小宮コンサルタンツ代表小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 私は、コンサルタントという仕事柄、社外取締役や顧問として、多い月には10程度の会社の取締役会や経営会議に出席しますが、「良い会議」はそうあるわけではありません。

 日々忙しい社員が顔を合わせて話をする場である会議では、「意味」である共有すべき情報と、仕事に向けての「意識」の両方を伝えることができます。意味はメールでも伝えることはできますが、意識は面と向かって話をした方が伝わりやすいですし、緊急の課題を抱えている場合は切迫感も伝わるでしょう。そのため、会議はある程度は必要なのだと思います。しかし、現実には、会議はある程度どころか必要以上に頻繁に行われており、しかも「良い会議」と呼べるものは少ないと感じます。

 情報共有のためにと、会議で膨大な量の資料を配る会社もあります。忙しい出席者に、すべての資料を読ませるのは時間の無駄。従業員1人あたりの労働時間に対する生産性の指標である「人時生産性」などを除いて、1円単位の数字を記した資料はほとんどの場合不要です。議題を提案する人は、どこまでの情報を出席者と共有すべきかを考えなければなりません。