超低金利のせいで日本の銀行は経営環境が苦しくなっており、多くの銀行株は過去最安値をつけている。厄介なのは事態が今より悪化しそうなことだ。特に有力地銀の千葉銀行の場合、市場はその直面するリスクを完全には織り込んでいないように思われる。千葉銀の苦境はすでに意識され、株価純資産倍率(PBR)は0.42倍と低迷する。ただ、今のところ同行を取り巻く状況は実際には悪くないのかもしれない。債務不履行(デフォルト)率はゼロに等しいほど低く、経済成長率は低いがプラス圏にあり、不良債権も最小限に抑えられている。一方で、金利が30年低下し続け、今やゼロ以下に沈んだことが銀行の収益を圧迫している。千葉銀は過去10年間の半分で総資産に対する金利収入の比率が低下し、今や0.25%にも満たない。三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)や三井住友FGのようなメガバンクとは異なり、海外市場で思い切った投資をするなど合理的にこの状況を抜け出すことができない。
日本の地銀、苦境の上に重なる悪材料
千葉銀は長期的な収益低下に加え、地元不動産市場の低迷も
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