消費増税前に日本経済を総点検、10月以降の景気後退は回避できるかGDP統計でみると日本経済は堅調に推移している。10月の消費増税を乗り越えられるか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

日本経済は3期連続のプラス成長
需給の改善続く

 2019年4-6月期の実質成長率は前期比年率プラス1.8%と、18年10-12月期(同プラス1.6%)、19年1-3月期(同プラス2.8%)に続き、3四半期連続のプラス成長を記録した。内閣府や日本銀行は、日本経済の平均的な供給力を示し、日本経済の「実力」とされる潜在成長率を年率1%前後と推計しており、過去3四半期の成長率は、潜在成長率を上回ったことになる。実際の成長率を需要の伸びと考えれば、日本経済における需要は平均的な供給力の増勢(潜在成長率)を上回っていることになり、経済全体の需給が改善しているといえる。

 19年4-6月期の実質GDPの内訳をみると、実質輸出が前期比で0.1%減少し、2四半期連続の減少となったが、内需では実質個人消費が同0.6%増となっているほか、実質企業設備投資は同1.5%増と大幅に増加している。個人消費については、1-3月期に天候要因により押し下げられた反動があるほか、改元に伴う「10連休」による押し上げ効果が出ていることが考えられ、その分を差し引いて判断する必要があるが、設備投資は3四半期連続で大幅に増加している。設備投資は、実質ベースではここ3四半期で4.7%(年率換算6.3%)伸びており、堅調に推移している。

建設投資循環は
長期的な上昇局面

 GDP統計では、19年4-6月期の設備投資の内訳を確認できないが、関連指標からは、建設投資の増加が続いているとみられる。建設総合統計の民間建設出来高(非居住+土木)は、19年6月値が未発表なため4、5月値平均(筆者推計の季節調整値)でみると、1-3月期比で1.3%増(年率5.4%増)となっており、1-3月期(前期比1.6%増、同年率6.6%増)に続き大幅に増加している。

 一方、機械投資も、4-6月期に増加したものの、1-3月期に大きく落ち込んだ反動の影響が大きいようだ。関連指標である資本財(除く輸送機械)の国内総供給は、1-3月期に前期比11.4%減となったが、4-6月期は同6.0%増となっており、1-3月期、4-6月期を均した水準は、18年10-12月期に比べ6%強、低くなっている。