エマニュエル・マクロン仏大統領は、ドナルド・トランプ米大統領をわなにかけ、イランのハッサン・ロウハニ大統領との交渉に引きずり込んだのか? 26日に閉幕した主要7カ国首脳会議(G7サミット)でメディアの最大の関心はそこにあった。だが、もっと重要な出来事は同じく先週末、イスラエルがシリアの軍事施設を爆撃したことだ。まさにイランの民兵部隊が集結する場所だった。イスラエルは24日、この施設を爆撃したのはシリアの親イラン組織が自国領土を攻撃するのを防ぐためだったと述べた。イランの対外工作を担うイスラム革命防衛隊(IRGC)の精鋭「コッズ部隊」は、レバノンの武装組織ヒズボラを補完する存在としてシリアの民兵組織を強化することを目指している。イスラエルと次に交戦する際(次の戦争はきっと起きる)、これらの代理組織がイスラエルに対する第二戦線として機能することになるだろう。イスラエルが定期的にシリアへの爆撃を繰り返し、時にはイラクでも爆撃を行うのは、こうした軍事態勢の構築を阻止することが狙いだ。