「中国人にだまされた」ケースを
分析すると見えてくること

 しかしそれでもまだ、日本人が中国人にだまされるということが、時々は起こる。これについては3つ言いたい。

 まずは、日本人も結構、中国人をだましているということ。実際にあった例では、ある有名な原作の映像化権利を中国に与えておきながら、脚本チェックの権利だけ日本が持っていて、長い間、脚本のOKをあえて出さないので、ずっと映像化できないというトラブルがあった。似たような話は、別の著作物でも聞いたことがある。

 しかし、これらの実例をもって「日本人全員が信用ならない」と断罪されれば、どんな気持ちがするだろうか?中国人がことさら信用できないというのではなく、残念ながら人間は時として人をだます生き物だということだ。

 次に、中国共産党の突然の方針変更に翻弄されるケースがあるということ。例えば、今年5月頃、1つの噂が中国で流れた。それは、中国政府が自国の産業をより発達させるために、外国作品のリメイクに規制をかけるというのである。噂は業界内にあっという間に広まった。

 中国企業は大急ぎで契約締結最終段階の取引を凍結、もしくは延期した。場合によっては、理由を明確に告げられずに音信不通を経験する日本企業もあった。私たちにも大手出版社や大手広告代理店から、「中国で何があったのですか?」と多くの質問があった。実際には、TVドラマのみの規制で済んだが、中国政府の規制は日本の様に正式にメディア発表等がされないため、非常にわかりにくい。