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現場力を伸ばす先端IT活用の鉄則

日本のITの方向性のヒントにもつながる、沖縄の未来と課題

安間裕
【第13回】 2012年7月11日
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 宮古島のバイオエタノール研究施設は、廃液がサトウキビの「肥料になったり」、すべて無駄のない有益なものを生産し、加えて「バイオエタノールまで作れる?!」(本末転倒気味ですが)ということで、非常に生産性の高い設備になっています。

 なのに、このポリフェノールや泡盛の有効性が認められていないなんて…とっても残念な話だと思いませんか?

 この「人工農地」をITによってもっと進化させ、自然を守りながら、無駄なく、いろいろなビジネス商材を生産できたら素晴らしいと思います。そのことによってビジネスを包括的に捉え、結果としてバイオエタノールも安価にすることが出来たらと、ITに携わる人間としては、思わざるを得ません。

 もう少し頑張ると、自然にやさしい、総合「アグリIT&再生可能エネルギー工場」の完成も夢ではないのに!!と本当に思いますし、「惜しい!」って感じです。

(参考:宮古島バイオエタノールプロジェクト

OISTは世界中の頭脳の集積基地

 もうひとつ、皆さんは、沖縄科学技術大学院大学(OIST)という学校のことをお聞きになったことはありますか?

 今回の同友会の活動で訪問し、学長さんや理事長さんにお話をお伺いしてきたのですが、この学校、「素晴らしい!」の一語に尽きます。

 まず、教授の殆どが外国人の方々で、世界の頭脳が集まってきています。中にはノーベル賞受賞者はもちろん、ノーベル賞候補になっている方々も数多くいらっしゃるのだそうです。

 この大学、目指す方向が画期的です。

 廊下の作り方、カフェテリアや、休憩スペースなど、いろいろな学問の専門家たちのコミュニケーションを、意図的に誘発するよう、導線を工夫しています。

 このことによって、例えば、バイオテクノロジーの専門家が、カフェテリアで「今、サンゴ礁のDNAの解読に挑んでいるんだけど、顕微鏡の精度が悪くて…。カラーでDNAの凹凸が見える顕微鏡ってないかなぁ。」なんて話をしていると、物理学の専門家が「そんなのだったら、作れるよっ。」とかいう話になって、研究が大幅に進んじゃいましたというお話が、結構あるとのことでした。

 この大学、そんなことを狙いとして、日本人で初めて「Nature」の表紙に載っちゃうような研究者を登場させたりしています。

 Googleが「Google Car」と言う、「自動」で動く自動車を作ったり、プロジェクト・グラスと言うAR(拡張現実)メガネを作ったり、アマゾンが「Kiva Systems」というルンバのすごいやつを使って、倉庫革命を起こし、それをネタに「物流業」に進出をしようとしていたり、最近、ITを武器として、業界の「壁」が溶け出しています。

 このOISTのコンセプトはそれに似ている気がします。

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グローバル経済のなかで地盤沈下の進む日本。再びIT先進国として飛躍するためには、ITをビジネスの武器とする発想が必要だ。ビジネスは現場が肝心。現場の意思決定のスピードアップなど現場力向上に先端ITをどう生かしていけばよいか、IT業界のフロントランナーがわかりやすく解説する。

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