中国の8月の輸入は4カ月連続で減少した。米中貿易摩擦が長期化する中で米国への輸出もさらに大きく落ち込み、中国政府は景気刺激策に向かって動きつつある。中国税関総署の発表によれば、輸入は前年同月比5.6%減で、7月と同じ減少幅となった。減少率はエコノミスト予想よりも小さかったが、経済成長率が数十年ぶりの低さとなっている中国にとって、需要の低迷は大きな懸念を示す。エコノミストらは、国内需要の低迷は中国政府が財政・金融政策をさらに緩和すべきだということを裏付けていると指摘。米中両政府は貿易協議を続けることには同意しているものの、対立が速やかに解消する可能性は低いという。中国商務省傘下のシンクタンクのトップを務めていた霍建国氏は、米中双方が柔軟性を見せなければ交渉は進展しないだろうと指摘。中国は貿易摩擦の解消に向けてトランプ氏が一歩引くことに期待するだけでなく、「自らの行為を改めることにも注力しなければならない」とした。