欧州中央銀行(ECB)は12日、一向に上向かないインフレ率を押し上げるため、再び大規模な金融緩和策を発表した。だが、真の狙いは違うところにあると疑われている。ユーロだ。ECBはマイナス金利の深掘りとともに、資産買い入れ策を再開すると表明。発表を受けて、ユーロは対ドルで0.4%値下がりした。ECBは特定のユーロ相場水準を目標にはしていないが、通貨高が物価を下押しするとの懸念から、金融政策においては為替レートも焦点となっている。プリンシパル・グローバル・インベスターズの首席ストラテジスト、シーマ・シャー氏は「これ(ユーロ相場への配慮)は今まで以上に重要だ」と語る。「金利はすでに極めて低水準にあり、利下げしてもあまり大きな影響はなく、かえって逆効果となるリスクもある。では、なぜそこまでして利下げするのか? 単純にユーロ相場をターゲットにするためだ」