世界有数の産油国サウジアラビアの石油施設が空爆を受け、原油価格が暴騰。世界経済混乱の幕開けかと、株式市場では緊張が走った。今回の一件で市場は日本企業に対してどのような反応を見せたのか。日本企業の時価総額がどれだけ増減したかを調べ、ランキングした。(ダイヤモンド編集部 片田江康男、鈴木崇久)

原油価格の影響を受けやすい
13業種の時価総額増減をランキング

 世界の原油価格の基準となるのはウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)と呼ばれる。サウジアラビアの石油施設が攻撃を受けたのは9月14日。それまで54ドル台で安定していたが、16日になって市場取引が再開されると一気に61ドル台後半まで暴騰した。

 日本からは遠く離れた中東地域の紛争であるとはいえ、日本企業にとっては大きな影響がある。日本は資源が乏しい国で、ガソリンや灯油、軽油、化学製品の原料となる原油を100%、輸入に頼っているからだ。

 そこでダイヤモンド編集部では、株式市場が今回の一件で、個別企業に対してどのような反応を見せたのか、東京証券取引所1部上場企業における時価総額の増減を調査。原油価格の影響を大きく受けるとみられる次の13業種を対象とした。

【調査対象の13業種】
鉱業、石油・石炭製品、建設、ガラス・土石製品、繊維製品、パルプ・紙、化学、ゴム製品、電気・ガス、陸運、海運、空運、倉庫・運輸関連

 日本の3連休中に起きたサウジ石油施設攻撃の影響を見るために、連休前の9月13日時点と連休明けの9月17日時点の時価総額を比較。時価総額の増加額が大きかった企業と減少額が大きかった企業のそれぞれをランキングした。

時価総額の増加額1位は
日本を代表する資源開発会社

 まず、原油価格が暴騰した後に時価総額が増加した企業から見ていきたい。

 1位は国際石油開発帝石。時価総額は1425億円(増加率9.71%)膨らんだ。

 同社は日本を代表する石油開発会社だ。世界中で石油や天然ガスの鉱区の調査、掘削、生産を行なっている。原油価格が上昇すれば、同社は生産した石油を高く売ることができるため、収益の押し上げ効果が見込めることになる。