10月から消費税の標準税率が10%に引き上げられ、他方で8%の軽減税率が導入された。
こうなると、免税事業者は仕入れの税額を控除できないので、税込み仕入額の増加分をどうするかという問題が生じる。
これが実際に問題になるのは、まず農家だ。
農家が販売価格を引き上げると、食品小売りの免税事業者で同じ問題が起きる。
軽減税率が導入されたにもかかわらず、食品価格が上がることも起き得る。
免税業者の税込み仕入額が増加する
農家は販売価格を引き上げられるか?
農家では、売り上げの大部分が消費税の軽減税率対象である一方で、仕入れの大部分は、肥料、苗木、ハウス材料品、燃料代、電気代、農機具など、標準税率の対象だろう(注)。
したがって、消費税の標準税率が10%になったことによって、税込み仕入額は増加する。
(注)軽減税率の対象である「食品」とは、人の飲用または食用に供されるものをいうので、牛や豚などの家畜の飼料や、果物の苗木や種子は該当しない(改正法附34(1)一、軽減通達2)。
なお、農協などの販売手数料には、標準税率である10%が適用される。