功成り名を遂げた経営者は、教育について語り、自ら理想の学校をつくることが多い。また企業や産業界が社会に有為な人材づくりを目的に学校をつくることもある。特集「人・組織を鍛え抜く 日本電産『永守流』」(全10回)の最終回では、日本にこんなにある“企業立”の大学や中学・高校を見ていこう。(ダイヤモンド編集部論説委員 深澤 献)
自社事業や業界発展を担う
人材育成を目的とした学校
「研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし」
トヨタ自動車の創業者、豊田佐吉の遺訓に沿い、次世代の技術者を育成する大学を設立することで社会に貢献しようと、トヨタが豊田工業大学を設立したのは1981年のこと。
かつては社会人大学だったが、93年から一般学生の受け入れも開始し、開学以来就職決定率は100%、第1希望への就職率も78%と、「就職に強い」を売りにしている。95年以降の就職先別の累計人数ではトヨタが88人と1位、以下アイシン精機とデンソーが57人、豊田自動織機が54人など、トヨタグループが上位を占める。