多様性のある組織は
適材適所の編成で強さを発揮

 女性の登用、男性社員の育児休暇の推進、LGBTへの取り組み、障害者の採用、シニア人材の再登用など、職場では様々な形での多様性が広がりつつある。企業が職場の多様性を推進する理由には、社会的責任としての義務、厚労省の推進姿勢、国からの助成金支給などが考えられるが、多様な人を採用しないと人材を集められない、多様な人材がいないと事業が行えないという切実な事情もある。

 私も以前の職場でフロント・エンジニアの採用に苦慮したことがある。優秀な日本人エンジニアは、資金力もブランドもあるネット企業が高い報酬条件で採用してしまい、私の職場では書類選考もできないくらい候補者がいない状況だった。そんな状況の中で採用できたエンジニアは、カリフォルニア州にいるアメリカ人だった。彼は非常に優秀な人材で、後に大いに貢献してもらった。ちなみにラグビー日本代表は、スカウトを海外に放ち、将来の代表候補をスカウティングしてきた。

 (今回のW杯の試合をご覧になった方ならおわかりかもしれないが)ラグビーは審判と選手(特にキャプテン)との(英語による)コミュニケーションが非常に重要なスポーツだ。ボディ・コンタクトの激しいスポーツで、対話がこれだけ重要なスポーツも珍しく、英語能力も勝つためには必須となる。

 試合後のインタビューで、非英語圏の主将が流暢な英語で受け答えする様子もラグビーならではだ。日本代表では、主審とのコミュニケーションが多い主将にリーチ・マイケル選手(ニュージーランド出身)やピーター・ラブスフカニ選手(南アフリカ出身)が指名されることも理に適った采配と言える。「外国人選手=助っ人」ではなく、適材適所の発想から構成された多様性のある組織が、ラグビー日本代表チームである。