
主要国で株高基調が強まっている。背景には米国の利下げ加速期待などのほかに、投資機会に乗り遅れる「FOMO」の投資家心理が働いた可能性がある。想定外の事態が発生しない限り、7月中旬までは株高が続きそうな展開だが、日本株のリスクとなり得る悪材料とは? (経済ナビゲーター 村田雅志)
日米株は高値更新、独株も回復
市場で高まる米利下げ加速期待
主要国の株式市場は、株高基調を強めている。
6月27日、米S&P500指数は6173と約4カ月ぶりに過去最高値を更新した。日経平均株価は4万150円と5カ月ぶりに4万円の大台を回復し、年初来高値を更新した。ドイツ株価指数(DAX)も2万4033と2万4000台を回復し、6月5日に記録された過去最高値(2万4479)が視野に入っている。
世界的な株高の背景には、米国の利下げ加速や中東情勢の緊張緩和、米中貿易協議の進展などに対する期待が指摘されている。このうち中東情勢や米中貿易協議については、期待を裏付ける確たる事実や情報は少なく、今後明らかになる展開や情報次第で市場の期待が急変する可能性は十分にある。一方、米国の利下げ加速期待は市場で高まっている。
米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は6月20日、ボウマン金融監督担当副議長は23日にそれぞれ、7月にも利下げに踏み切る可能性を言及した。6月28日時点のCME・ FedWatchツールによると、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)までの3回以上の利下げ確率は56.4%と、1週間前(6月20日)の30.8%から急上昇している。