最近の新聞報道によると、自動車最大手のトヨタが中途採用の比率を5割程度まで引き上げるという。
もちろん、社員全体の5割を中途採用にするというわけではない。ただ、もしそれを続ければ、長期的には、いずれはそうなる可能性がある。
代表的な日本企業が雇用制度に手を付けるのは、少子高齢化だけでなく、自動車業界が100年に一度の大変革(CASE革命、Connected Autonomous Shared&Service)に直面しているからである。
日本でイノベーションが乏しいのは、長期安定を重視する日本型雇用システムが大きな桎梏(しっこく)となっているからだが、問題はそれだけではない。
低下し続ける潜在成長率
最大の理由はイノベーション不足
日本の潜在成長率が低下を続けている最大の理由は、技術革新などを反映する全要素生産性の伸びが低下していることであり、これはイノベーションの不足が原因だ。