「サポカー」を知るには体験することが第一
体験したことで、さまざまな声が出てくる
高齢になったら、毎日の生活の中でどのような移動方法を選ぶのか?
そうした課題に対応するため、全国各地で自治体と警察、さらに地元カーディーラーが連携した「サポカー体験」などの試みが徐々に増えてきた。
サポカー(安全運転サポートカー)とは、衝突被害軽減ブレーキ(いわゆる自動ブレーキ)やアクセルとブレーキの踏み間違い防止装置など、高齢者に限らずドライバーに対する高度な運転支援システムを搭載したクルマを指す。経済産業省がまず、自動車メーカー各社と連携して安全運転に対する「概念」として公表した後、国土交通省が技術的なガイドラインなどの策定を段階的に進めている状況だ。
筆者は全国各地で高齢者を対象とした「サポカー体験」の現場を取材しているが、9月中旬には福井県福井市内で、福井県、地元警察署、そしてダイハツが連携して行ったイベントを視察した。参加者は、交通指導員だ。自治体から委託される特別職地方公務員などを指し、一見すると警察官のような制服を来ている場合が多い。そうした職務上、最新のサポカー技術を実際に体験する必要があるとして、研修会が開かれた。参加した約40人の年齢は公表されていないが、筆者の見立てでは半数以上が60歳を超えている。