野心的に働く女性には通常、こんなイメージがある。大きな夢を抱いて就職し、男性の同僚と並んでキャリアを駆け上がるが、トップに近づくと目に見えない壁が道をふさいでいる――。だが今年で5回目となる包括的調査によると、多くの女性が「ガラスの天井」にぶつかるずっと手前で、障害に遭遇することがわかった。それは管理職のはしごを上ろうとする第1段目にある。しかも、出産・育児によってキャリアを中断するせいではない。その結果、キャリアの早い段階から女性は男性に昇進で著しく後れを取り、その格差は上に進むほどなお拡大する。数字を挙げれば一目瞭然だ。就職する男女の比率はほぼ同等だが、経営幹部に続く道の第一歩、すなわち最初の管理職に昇進する時点で、男女比はほぼ2対1になる。実数に言い換えると、米企業全体で今後5年間に100万人以上の女性が、同僚の男性が昇進していくのを横目に平社員にとどまり、経営上層部は長期的に女性不足が続くのだ。