日本列島各地に大きな爪痕を残した台風19号は、上陸から半月が経過し、ようやく被害の全容が明らかになってきた。死者は13都県で90人を超え、行方不明も10人前後に上る。この週末には生活再建に向けた意欲をそぐように、15号の被害復旧もままならない千葉県などを21号に伴う大雨の被害が発生し、死者は10人を超えそうだ。今秋、3度の台風に伴う被害に見舞われた日本列島。被災者の窮状を救うべく、行政の支援は待ったなしだ。(事件ジャーナリスト 戸田一法)
未曽有の犠牲・被害
19号の被害が甚大だったのは関東甲信と東北で、土砂災害や浸水被害が多かった。国土交通省によると土砂災害は20都県660件を超え、堤防決壊は7県の71河川140ヵ所。
21号の影響に伴う大雨などの被害は5県27河川の氾濫が確認されているが、被害がどれほどに上るのかまだ全容は判明していない。
19号は6日、南鳥島近海で発生。9日、気象庁は日本に上陸する恐れがあるとして「命を守るため早めの対策、避難を」、11日には1958年に1200人以上の犠牲者が出た「狩野川台風に匹敵する恐れがある」と警戒を呼び掛けた。
12日午後、13都県の自治体に「大雨特別警報」を発令。その後、伊豆半島に上陸し関東から東北へ縦断した。