ドイツの公共放送ARDが中国のアプリ「TikTok(ティックトック)」での動画共有を決定したことを受け、ドイツ国内では検閲や安全保障への懸念の声が高まり、ドイツの巨大な公共放送セクターを支える受信料を巡る議論も熱を帯びている。ドイツのニュース番組「Tagesschau(ターゲスシャウ)」は20日、ユーモアを交えた短編動画を実験的にTikTokで配信すると発表した。同番組を放送するARDは若年層の視聴者取り込みに注力しており、動画配信はその一環だ。だが、検閲やデータ保護といった問題を不安視する視聴者や報道の自由を擁護する団体から、すかさず反発の声が上がっている。TikTokは中国系というイメージの払しょくに努めている。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は今月、事情に詳しい関係者の話として、中国政府がTikTokのコンテンツを検閲しているとの懸念を受け、米国がTikTokの親会社バイトダンス(字節跳動)に対する安全保障上の審査に踏み切ったと報じた。
TikTok配信巡り、ドイツ公共放送局に批判殺到
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