おじいちゃん、おばあちゃん=優しい、というイメージはすっかり廃れてしまったのかもしれない。「シルバーモンスター」とも呼ばれる、モンスター化した高齢者の報道を目にすることは珍しくなくなった。20~50代男女が、「関わるとしんどい」「怒りっぽくて怖い」と感じる「モンスター高齢者」の事例を紹介したい。(取材・文/フリーライター 池田園子)
高齢化社会が進行する中
「犯罪白書」でも存在感を示すモンスター高齢者
暴力、暴言……高齢者による事件が目立っている。内閣府の「高齢社会白書」(平成30年版)によると、総人口(1億2671万人)に占める65歳以上人口(3515万人)の割合(高齢化率)は27.7%。高齢化により、これからもこの比率は高まっていくことになる。
視点を「犯罪白書」(平成30年版)に移してみよう。年齢層別の刑法犯検挙人員および高齢者率は、直近20年間の推移を見ると大きな変化が見られる。
平成10年以降、高齢者の検挙人員は毎年増加し、ピークを迎えたのは20年(4万8805人)だった。以降は高止まりの状況が続き、29年に前年比1.5%減の4万6264人となり、10年(1万3739人)と比べると約3.4倍に増加しているのだ。