中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)は、世界で広がる「悪者」のイメージ払しょくに向けて、大々的なPR作戦を展開している。その取り組みはここにきて、法廷争いへと発展しつつある。ファーウェイは自社に批判的な人物や組織に対して、一連の法廷争いを仕掛けている。フランスでは、ファーウェイが中国当局に支配されていると主張した研究者を名誉毀損(きそん)で訴えた。リトアニアでは、アフリカでの情報流出に関するドイツ誌の報道を巡り、誤訳を認めた小規模な新聞社に対して勝訴。ファーウェイのスマートフォンは安全ではないと主張したことを問題視し、チェコ共和国の政府を訴える構えも見せている。「法廷闘争の新たな波が来たようだ」。こう指摘するのは、中・東欧における中国の政治活動を追跡するウェブサイト「sinopsis.cz」を運営するマーティン・ハラ氏だ。同氏は中国が狙う欧州での影響力拡大に批判的な立場で、「訴訟の多くはおそらく脅しと思われるだろう」と述べる。