米議会下院民主党とロバート・ライトハイザー通商代表部(USTR)代表が、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の修正案で合意に近づいている。事情に詳しい複数の関係者が明かした。ただ、ハードルはまだ残っているという。関係者によると、下院民主党とライトハイザー氏は数カ月にわたりUSMCAの修正案に合意しようと協議を重ね、この数日で主要な問題点を巡る意見の隔たりが狭まったという。最大の対立点は労働基準の厳格化で、民主党の最優先事項となっている。メキシコ側の交渉団を率いるヘスス・セアデ外務次官は8日、先週のワシントンでの米国側との協議を踏まえ、メキシコ市で上院議員らに進捗(しんちょく)状況を伝えた。その後マルセロ・エブラルド外相は、米国の査察官がメキシコ国内で労働規則を執行できるようにすることにメキシコ政府は反対だが、労働基準を巡る問題を解決するために仲裁委員会を利用することは歓迎すると述べた。