子ども時代の「外遊び」は、子どもの運動能力を向上させるだけでなく、コミュニケーション力の向上にも一役買っている。その大切な外遊びの機会が減っている最近の子どもたち向けの運動遊びプログラムに注目したい。
児童館で導入進む
新開発の運動遊び
年齢の離れた上司やメンバーに対し、コミュニケーションギャップを感じることはないだろうか。
その要因のひとつについて、「小さい頃の“遊び”の違いがあるのではないか」と一般財団法人児童健全育成推進財団・総務部部長の阿南健太郎さんは指摘する。
現在の50代以上は、子どもの頃、外遊びの環境に恵まれていた世代だ。昔ながらの人気アニメの場面のように、公園や路地裏に異年齢の子どもたちが集まって遊び、ガキ大将がみんなをまとめたり、ケンカもするけどすぐ仲直りしたり…こうした日々の遊びは、さまざまなコミュニケーション術を身に付ける機会でもあった。
「しかし近年、空き地の減少、遊び声の騒音や安全性への配慮からの公園利用の規制強化、子どもを狙った犯罪の増加などから、外遊びがしにくくなっています。それによって子ども同士の遊びから学ぶ機会も減っているのです。世代によって遊び方が変化したことが、コミュニケーションの違いにも表れている可能性があります」(阿南さん、以下同)
そんななか注目されるのが、運動遊びプログラム「JUMP-JAM(ジャンジャン)」だ。全国の児童館をネットワークする児童健全育成推進財団が、世界各国で社会貢献事業を展開するナイキとパートナーシップを組んで開発。誕生から3年目で、東京都内72カ所の児童館で実施が広がったほか、商業施設等で体験イベントもたびたび開催されるなど好評を得ている。これが実はコミュニケーション力の向上にも効果があるというのだ。