保険業界
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1年で最も売れる「週刊ダイヤモンド」年末年始の恒例企画をオンラインで同時展開するスペシャル特集「総予測2020」。ダイヤモンド編集部が総力を挙げて、多くの識者や経営者に取材を敢行。「2020年の羅針盤」となる特集をお届けする。今回は、保険業界の2020年予測記事をお届けする。(ダイヤモンド編集部 中村正毅)

2020年1月から初めて
「標準利率」がゼロ%に突入

 金融緩和によって続く超低金利環境が、大きな逆風となって生命保険会社に吹き始めている。

 2019年夏以降の市場金利の低下を受けて、20年1月から円建ての一時払い終身保険における「標準利率」が、初めてゼロ%に突入することになったのだ。

 標準利率とは、保険会社が契約者に約束した運用利回りとなる「予定利率」を決める際に、参考とする指標のことだ。

 監督官庁の金融庁が標準利率の算出方法を定めており、円建ての一時払い終身保険の場合、1月、4月、7月、10月の年4回、市場金利に応じて利率を見直すルールになっている。

 標準利率はあくまで参考指標であり、予定利率と連動しているわけではない。一方で、標準利率が下がれば、保険会社は予定利率を下げることが多いのが現状だ。

 そうしないと、保険金の支払いに向けた準備金(標準責任準備金)を積み増すことになり、保険会社の収益が圧迫されてしまう仕組みになっているからだ。

 予定利率の引き下げは、契約者に約束する運用利回りを下げることと同義なので、当然ながら商品としての魅力は大きく低下することになる。

 そのため、すでに生保各社で円建ての一時払い終身保険を販売停止にする動きが出ており、その影響は高齢者を中心に、窓口で同商品を積極的に販売してきた銀行にも及び始めている。