事業執行層が140人に
年収総額は20億円超

 津賀社長の人事改革の「第1弾」は、事業執行体制の見直しである。昨年10月1日付で、大量の降格を伴う人事を発動した。

 まず、増え過ぎた執行役員(取締役と兼務する役員を除く)を43人から10人へと4分の1に削減した。これにより、32人の執行役員が新たに設けられた事業執行層(参与など)へ降格となった(1人は退任)。事業ポートフォリオの改革など全社の戦略の方向付けを担う人材のみを執行役員に残し、それ以外の個別事業の執行責任だけを負う人材は事業執行層としたのだ。

 言うまでもなく、その目的は「滞留するロートルの退出」と「若手人材の抜てき」を同時に行うことにある。思い切った人事の新陳代謝を促進することで、組織の活性化を狙っているのだ。

 もちろん、執行役員から事業執行層へ呼称が変わっただけでは、改革の効果は期待できない。パナソニックでは、執行役員から格下げとなった32人に、P1~P2の上級管理職を加えた幹部を事業執行層と呼んでおり、事業執行層の数は約140人に上る。

 ここに、大量の“働かないおじさん”が含まれている。仮に、1人当たり年収が最低ラインの1500万円だと見積もったとしても、総額21億円もの巨費が事業執行層に支払われている計算になる。

55歳以上・滞留3年以上の
幹部に迫るリストラの足音

 津賀社長の真意を酌めば、この人事改革に「第2弾」が待ち受けていることは想像に難くない。「退任や給与の大幅ダウンなど、事業執行層に大リストラが待ち受けているのではないか」(パナソニック中堅幹部)とされているのだ。

 とりわけ、そのターゲットになりそうなのが、先般格下げされた「元執行役員の事業執行層」の32人だろう。

 上図を見れば明らかだが、降格された事業執行層32人中、「55歳」以上の人員は27人いる。

 そのうち、執行役員になってからの在任期間が「3年」以上と、滞留している人員が17人もいる。この辺りが、津賀社長のメスが入るターゲットだといえそうだ。

 今年2月にも内定する幹部人事を前に、パナソニック上層部は戦々恐々としている。

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