お互いを敵とせず、Win-Winの関係を築く
ここ数年を見ても、クレームをつける人のタイプやその内容、場面が大きく変わってきています。今では普通の主婦や高齢者が悪質クレーマーになったり、今後は外国人観光客などによるクレームも増加していくことでしょう。
私はお客さまを「神さま」だとは思っていません。「人間」として尊重しています。人間ですからいろいろな人がいます。そのため、クレームの対応も、相手や時代に合ったものでなければなりません。従来のようにお客さまを「神さま」として奉り、じっと話を傾聴して正しい説明をする方法では、解決しないクレームが増えているのです。
一方で、ミスや誤解があったり、見解に違いがあっても、お互いを敵とせず、Win-Winの関係を築くのが、本来のクレーム対応の姿であることに変わりはありません。前述のとおり、一部の悪質クレーマーを除けば、クレームを申し立てるお客さまは実際に困り事を抱えています。その事をこちらにわかってもらい、解決してもらいたいだけなのです。決して怒りをぶつけたり、正しい説明を聞きたいわけではないのです。
冒頭で触れた超共感法によるクレーム対応が、一般のあらゆるクレームに効果を発揮する理由はここにあります。クレーム対応の初動として、お客さまの気持ちを代弁して、YES言葉を引き出すことの重要性を胸に刻んでください。
そして、悪質クレーマーに対してはためらわずに見切りをつけ、交渉を打ち切るか、放置しましょう。金品等を目的とした相手に、クレーム対応者が胃を痛める必要などないのです。