nuclear umbrella:核の傘

ウクライナ危機で脱米国の機運高まる、核保有国の英仏は代わりになれるのか?

 米国による「核の傘(nuclear umbrella)」がなくなったら、欧州はどのようにしてロシアの脅威に対峙したらいいのか。核保有国(nuclear power)である英仏両国が代わりになればいい。

 トランプ米大統領は北大西洋条約機構(NATO)に不満を持つ一方で、ウクライナに侵攻したロシアに甘い。昨年の米大統領選挙期間中には「ロシアは好きなようにやればいい」と発言し、同盟国を仰天させた。

 脱米国に向けた議論はすでに始まっている。2月下旬のドイツ総選挙前、同国のメルツ次期首相はテレビ番組で「欧州は米国に頼らずに自力で核抑止力を高めなければならない」とし、英仏に協力を求める方針を表明した。

 フランスのマクロン大統領は前向きに反応。3月上旬のテレビ演説で「ロシアはフランスだけでなく欧州全域にとって脅威となった」と強調した上で、次のように語った(仏「ルモンド」紙より引用)。

 I have decided to open up the strategic debate on the protection of our allies on the European continent through our nuclear deterrent. (フランスの核抑止力を利用して、欧州大陸の同盟国を守る必要が出てきた。そのために戦略的議論を始める。)

 要するに、欧州全域にフランスの「核の傘」を広げる用意があるというわけだ。