コンサル大解剖Photo by Akira Yamamoto

コンサルビッグ4の一角で、規模は最小ながら売上高成長率20%以上と高い水準で拡大を続けてきたKPMGコンサルティング。今年1月から、新たに3人の共同代表が就任した。長期連載『コンサル大解剖』の本稿では、新代表の1人である関穣氏のインタビューをお届けする。KPMGコンサルは、23年より新たな3カ年の中期経営計画を進めている。前編では、メディアに初めて明かすという中計の「3つの柱」について関氏が詳細を語った。

約20%の成長を維持
新中計で据える「3つの柱」

――2023年に実施した宮原正弘前社長のインタビュー(『KPMGが新卒採用倍増も宮原社長は「規模は追わない」宣言、米国リストラの影響は?』参照)では、23年6月期の売上高成長率は前年比20%超を見込んでいたとのことでした。足元の業績はいかがでしょうか。

 売上高そのものは開示できないですが、24年6月期も20%以上で成長しており、新型コロナウイルスの感染拡大の影響がなくなった22年6月期から毎年20%超えている状況です。母数は大きくなっていますが、現在の25年6月期もほぼ同じ水準を見込んでいます。ならしてみれば5年間平均で約20%の成長を実現できています。

 成長率自体はわれわれも意識していて、高い成長率をベースとした予算をもとに動いていますので、これまで堅調に推移していると評価しています。来期も今までと同じくらいの水準で約20%の成長を目指します。

――現在は、24年6月期からスタートした3カ年の中期経営計画も進めていますね。どのような計画でしょうか。

 まず、中計では大きく3つの柱を立てました。一つは、成長基軸の強化。2点目は、サステナブルなど社会に対しての貢献。それから、3点目が重要なステークホルダーである社員や当社に関わる人たちの幸せの実現です。

 特に一つ目の成長についてお話ししたいのですが、その骨子として一丁目一番地に置いているのが、アカウント(顧客)フォーカス、つまりクライアントセントリック(顧客中心主義)やクライアントファーストの徹底です。

 少し余談ですが、KPMGは14年に設立しており、ちょうど10周年を迎えましたが、立ち上がり当初はどちらかというと、われわれのサービスをいかに多くのクライアントに横展開して売るかという、サービスオリエンテッドで動いてきた面があるんですね。

 結果として、KC(KPMGコンサルティング)の認知度は非常に高まり、クライアントの基盤も厚くなりました。ですが、10年経ったいま、特定のサービスをソリューションカットで提供するだけではなく、より王道に戻ってお客さまの悩み事を全体的に解決していきたいと考えているため、クライアントセントリックを打ち出しているという背景もあります。

 加えて、これも文脈は似ていますが、いわゆる方針だけを顧客に出して終わりではなくて、その成果の刈り取りまでお付き合いして初めて顧客のニーズが満たされることも多いので、end-to-endで提供できるサービスのバラエティーを広げていくことも成長基軸のポイントの一つです。

 具体的には、いわゆるテクノロジービジネスの陣容拡大がその例です。今までグローバルとしてはサービスを提供していましたが、KPMGコンサルティングのジャパンとしてもきちんと向き合っていくために、ここはアクションを取っています。

――テクノロジービジネスだと、例えばデロイト トーマツ コンサルティングやPwCコンサルティング、アクセンチュアといった競合も注力している分野です。どういったビジネスや差別化を考えていますか。