自分にしかできないことがある、自分ならできる──そんな情熱や使命感を抱いて活躍する若きリーダーたちは、どんな原体験に支えられているのか。今回は、難病などで長期療養生活を送る子供向けのスポーツ体験を提供するNPO法人Being ALIVE Japanを運営する北野華子さん。自身も15年間にわたる療養生活を経験しています。(聞き手/ダイヤモンド編集部論説委員 深澤 献)

周期的に襲ってくる激痛
難病と向き合った15年

北野華子・NPO法人Being ALIVE Japan理事長Photo by Masato Kato 拡大画像表示

──帰国子女なんですね。

 生まれは日本ですが、IT関係の仕事をしている父の転勤で、3歳から小3の秋までロンドンにいました。週の5日は現地校に通い、1日だけ日本語学校に通っていました。現地校は「ハリーポッター」の世界でした。学校から帰ったら、テニスやスキー、バレエやタップダンスなど毎日違うお稽古事をしていましたね。

 ロンドンでは学校まで車だったのに、日本の小学校は徒歩通学だし、自分の好きな鞄じゃなくてランドセルになって、教科書を毎日持って帰らなくてはならなかったり、お菓子を持って行ってはいけなかったりと、帰国当初は文化の違いに違和感を覚えました。

──「家族性地中海熱」という難病を抱えているそうですが、すでにその頃は発症していたのですか。

 はい。家族で日本に戻ったのは私の病気が理由です。

 熱や腹痛、胸や足の痛みを周期的に繰り返す病気で、私にとっては、物心ついた頃から痛みがあるのが当たり前の状態だったのであまり意識していませんでしたが、両親によれば5歳の頃からそれらしい症状が出ていたようです。

 周期熱といって、月曜日に発熱発作が来ると翌週の月曜日にも来る。発作時には、私の場合は盲腸炎の3倍くらいの炎症が起きて、普通の状態でも肺炎程度の炎症反応が起きているので、かなりの痛みです。痛みが出たら入院して検査をして、良くなったら退院してというのを繰り返しました。

 でも、いくら検査しても、なかなか病気の本性が分かりませんでした。診断名が付いたのは大学に入学してからです。