資産運用会社や証券会社の営業マン、プライベートバンカー……。大口の運用資金を狙い、富裕層の元には多くの金融関係者が群がる。そんな彼らを当の富裕層たちはどのように見ているのか。特集「富裕層のカネ・節税」の#04では、富裕層に好かれる金融機関、嫌われる金融機関を調査した。(ダイヤモンド編集部 重石岳史)
一流証券会社の
「あきれた」営業姿勢
「証券会社はくだらない商品売りばかりだ……」
こう嘆息するのは、保有する純金融資産が10億円超えの会社社長だ。
社長の元には、証券会社で富裕層を担当する営業マンが入れ代わり立ち代わり訪れる。ある日、担当者に「キャッシュフローを500万円増やしたい」という“宿題”を与えたところ、提案してきたのが毎月分配型の不動産投資信託、いわゆるたこ足商品だった。
たこ足は、運用の実績以上に元本を切り崩して過分な配当金を払い出すので、元本減少に伴う評価損を抱える可能性が高い。見た目は配当金が高いので魅力的に感じられるが、実際はタコが自分の足を食べるかのように身を削っている商品だ。
この会社社長は投資を断り、担当者を代えてもらったが、新たに訪問してきた若い担当者も同じたこ足商品を提案してくる。再度断ったが、3人目の担当者も同じ商品を持ってきたという。