――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター ***  ドナルド・トランプ米大統領は2018年1月、世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)に出席し、「『米国第一』は『米国単独』を意味してはいない」と語り、聴衆を安心させた。  それから2年後、世界はこれが一体何を意味するのか、理解しつつある。米国は過去数カ月、シリア北部から駐留米軍の大半を撤収し、中国に(おそらく他国を犠牲にして)米国産品の輸入拡大を確約させるとともに、世界貿易機関(WTO)の判事である上級委員の任命を阻止し、WTOの紛争処理の裁定機能をまひさせた。