過去を超えていくことで、
未知の良さを求め続ける
どれだけ成功しようが失敗しようが、過去のコンセプトを超えていこうとする態度こそが、コンセプトワーカーには求められています。
コンセプトを殺すという行為は、ここでのジョブズ氏のような態度です。
コンセプトワーカーは、過去に自らが生み出したコンセプト=「未知の良さ」に囚われ留まることなく、常にさらなる未知の良さを探り続ける勇者でなければいけません。
あなたの生み出したコンセプトが成功を収めたとわかったら、ほぼ間違いなく「私は正しかった」という自信や喜び、ひいてはしあわせが生まれるでしょう。しあわせを感じさせてくれたものがコンセプトなのですから、そのコンセプトを手放したくないと思うのはごくごく自然なことです。
しかし別の見方をすると、ユーザーが喜び熱狂し、さらには熱狂の輪が大きくなれば大きくなるほど、コンセプトによって実現された「未知の良さ」が急速に「既知の良さ」へと変換・消費されているということを意味します。
ユーザーが喜んでくれるほど、そこが「未知の良さ」らしい 心地よい大地である期間は短くなっていきます。その一方で、商品やサービスをリリースした結果として成功基準を満たさない数字しか出せなかったようであれば 、もともとのコンセプトがおかしかったことになりますから、やはり再考しなければなりません。
つまりコンセプトは、その成功・失敗にかかわらず、いずれ意図的に殺さなければならないということです。
そして、第2幕へと、新たな未知の雲を切り開く道へと旅立たなければなりません。