「頑張っているのに、結果がついてこない」「必死に仕事をしても締め切りに間に合わない」同僚は次々と仕事を片付け、成果を出し、上司にも信頼されているのに、「なんでこんなに差がつくんだ……」と自信を失ったとき、どうすればいいのでしょうか?
ビジネススキルを発信するTikTokのフォロワーが20万人を超え『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者である「にっしー社長」こと西原亮氏に教えてもらった「超優秀な人が秘かにしている仕事のコツ」を本記事で紹介します。(構成/ダイヤモンド社・林拓馬)

新しいことはあえて「強制」する
「老害」と呼ばれる人々がいます。
何か新しいことを始めようとすると批判したり、抵抗したりする人たちのことです。
今回は、そうした人々をどのように変えていくかについてお話ししたいと思います。
私は長年、コンサルティングの仕事で多くの「老害」と言われる人たちに出会ってきました。
そもそも、「老害」とは何か?
これは年齢に関係なく、変化を受け入れようとしない人たちのことを指します。
つまり、「変わろうとしない人」を「老害」と定義しています。
30代、40代であっても老害になる人はいます。
そして、こうした人々は、しばしば改革の「抵抗勢力」になります。
では、なぜ彼らは変化に抵抗するのでしょうか?
理由はシンプルで、「慣れないことをしたくない」からです。
たとえば、これまでコミュニケーション手段が電話だったものをLINEに変えようとしたとします。
その際、「電話のほうがスムーズだから」「今まで通りの方がいい」といった理由を挙げて抵抗する人が出てきます。
しかし、本質的な理由は「慣れたものから離れたくない」「新しいものに適応するのが面倒だから」というものです。
要するに、「ラクだから」変わりたくないのです。
「老害」と呼ばれる人々の本音
ここで重要なのは、「老害」と呼ばれる人々は、単に意地悪をしているわけではないということです。
彼らはただ単に、「慣れたものを続けていたほうが楽だから」新しいものに抵抗しているのです。
では、そうした人々をどのように変えていけばいいのでしょうか?
ここでよくある誤解があります。
それは「メリットを伝えれば人は変わる」という考え方です。
たとえば、「LINEを使えばもっと便利になりますよ」と説明したとしても、彼らは変わりません。
なぜなら、彼らが拒否しているのは「便利かどうか」ではなく、「慣れたものから離れること」だからです。
では、どうすればいいのか?
答えは一つ、「強制する」ことです。
たとえば、「来月からは全員LINEを使ってください」と決めてしまう。
ただし、「電話も使っていいですよ」と併用を許すと、人は必ず慣れている方を選びます。
その結果、変革は進みません。
だからこそ、改革を成功させるには「一律強制」が必要なのです。
これは、現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する上で、非常に重要な考え方です。
強制されれば、使わざるを得なくなり、次第に慣れていきます。
そして、2~3週間もすれば、最初は文句を言っていた人も自然と新しいやり方に順応します。
そうなれば、彼らは「変革の抵抗勢力」ではなく、「一緒に事業を推進する仲間」に変わっていくのです。
したがって、「老害」と呼ばれる人々に対して過度に悲観する必要はありません。
彼らはただ単に「変わりたくない」だけであり、適切なアプローチを取れば、いずれは変化を受け入れるのです。
重要なのは、強制を恐れずに、一貫した改革を進めること。
これが、現場の変革を成功させるための鍵となります。
(本記事は『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者、西原亮氏が特別に書き下ろしたものです)